1.そもそも「睡眠(すいみん)」って何でしょう?
睡眠とは、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「幅広い脊椎動物にみられる、自発的に生じる静的状態」。医学的には「まず意識がない事」が挙げられ、厳密には以下のように定義しています。
- 少し揺さぶっても、小さい物音を立てても起きない状態。
- 大きな物音や強い衝撃によっては、意識を取り戻す状態。
- 周期的な生活習慣または自発的な眠気による睡眠。
2.では、私たちはなぜ眠るのでしょう?
ある断眠(眠らない状態)を続けた動物実験では、その動物は最終的に死亡してしまいました。
ヒトでの断眠では、死亡に至る以前にいずれは眠ってしまいます。このことから、私たちにとって睡眠は、生きるために必要不可欠なものであることがわかります。
私たちヒトは多くを大脳に依存して生きています。その大脳を「創り、育て、守り、修復し、より良く活動させる」ことが睡眠の役割であり、そのために眠ると考えられています。
ただし、高等動物であるがゆえ、ヒトの睡眠は非常に高度で複雑です。そのため未解明な部分が多く残されているのも事実です。
3.生理学的な睡眠の意義
近年になり科学的技術が発達し、睡眠の研究も進み、意義や目的が少しずつ解明されてきています。生理学的には
- 脳を休息させるための積極的な適応行動である。
- 高度な生理機能に支えられた生体防衛機能である。
- 発達した大脳をもつ高等動物にとっては、睡眠の良否が高度な情報処置能力を左右する。
と定義でき、つまり、質の良い睡眠があってはじめて、質の高い生活が実現できるものであり、「より良く生きる」ことは、「より良く眠る」ことと言えるでしょう。